amazonでKOORUI(クールイ)という怪しげなブランドのポータブル電源を見つけました。
この記事ではKOORUI ポータブル電源の評判・口コミとスペックを見て闇を暴いていきます。
テイクです。電池の専門家です!
- 国立大学で最先端太陽電池の研究
- 企業でリチウムイオン電池の開発
に携わっていました。
電池のことを熟知しているからこそ、ポータブル電源の特性をどこよりも詳しく解説することを心がけています。
KOORUIは中国のメーカー
KOORUI(クールイ)は中国のメーカーで正式名称は「Shenzhen KOORUI Technology Co., Ltd.」。つまり中国の深圳市にあるメーカーです。
主な製品はモニターとキーボードで、ホームページにはポータブル電源が掲載されていません。
日本のXアカウントも一応存在していますが、2024年の10月に開設されたばかりのようです。
KOORUI ポータブル電源のスペックを確認
KOORUI ポータブル電源の基本スペックは以下の通りです。(比較のためにAnkerとJackeryの同容量帯のポータブル電源も一緒に載せています。)
製品 | メーカー | 容量 | 出力 (定格/最大) | サイクル寿命 | 出力ポート | サイズ | 重さ | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
KOORUI | KOORUI (クールイ) | 296Wh | 200W/400W | 不明 | AC×2 DC×1 USB-C×2 USB-A×2 シガーソケット×1 | 24×13.7×18.9cm | 2.7kg | 10,030円 |
Solix C300 | ANKER (アンカー) | 288Wh | 300W/400W | 3000回 (80%) | AC×3 USB-C×3 USB-A×1 シガーソケット×1 | 16.4×16.1×24cm | 4.1kg | 34,990円 |
300 Plus | JACKERY (ジャクリ) | 288Wh | 300W/600W | 3000回 (80%) | AC×1 USB-C×2 USB-A×1 シガーソケット×1 | 23×15.5×16.7cm | 3.75kg | 39,800円 |
容量:296Wh
ポータブル電源の容量が大きいほど長時間稼働できます。
KOORUIの容量は296Whで小容量ポータブル電源に分類され、AnkerのSolix C300 Portable Power StationやJackeryの300 Plusと同程度の容量帯です。
重さ当たりの容量を計算した重量エネルギー密度(Wh/kg)は以下の通りで、Anker Solix C300やJackery 300 PlusよりKOORUIが高いです。
重量エネルギー密度 | |
---|---|
KOORUI | 109.6Wh/kg |
ANKER Solix C300 | 70.2Wh/kg |
JACKERY 300 Plus | 76.8Wh/kg |
これはAnker Solix C300やJackery 300 Plusがリン酸鉄系のポータブル電源であるのに対してKOORUI三元系のポータブル電源であることを示しています。
三元系は重量エネルギー密度が大きい=軽いポータブル電源と言えますが、サイクル寿命が短いというデメリットがあるため、基本的にはリン酸鉄系がおすすめです。
定格出力:200W
ポータブル電源の定格出力が大きいほど消費電力の大きい電化製品を動かせるます。
KOORUIの定格出力は200Wで同容量帯のポータブル電源と比較すると物足りない印象を受けます。
サイクル寿命:不明
ポータブル電源の定サイクル寿命が長いほど長期にわたる使用が可能です。目安は3000回以上です。
KOORUIのサイクル寿命は記載されていません。サイクル寿命が記載されていないようなポータブル電源はそもそも買ってはいけません。
エネルギー密度から予測すると、リン酸鉄系ではなく三元系のポータブル電源だと考えられるのでサイクル寿命は1000回未満だと思います。
出力ポート:5種類8か所
ポータブル電源に接続できる端子。(例:AC(コンセント)、USB-C、USB-Aなど)
KOORUIは出力ポートの種類と数が多いのはいいところです。
価格:10,030円(安すぎる)
KOORUIの価格は10,030円で同容量帯のポータブル電源と比べて安すぎます。
容量当たりの価格を計算した容量単価(円/Wh)は以下の通りです。
容量単価 | |
---|---|
KOORUI | 33.9円/Wh |
ANKER Solix C300 | 121.5円/Wh |
JACKERY 300 Plus | 138.2円/Wh |
ポータブル電源の容量単価はポータブル電源のサイズによらず100円/Wh程度のものが多いです。逆に100円/Whを明らかに下回っているポータブル電源は粗悪品の可能性が高いと言えます。
総じて怪しい
KOORUIのポータブル電源はサイクル寿命が不記載である点や価格があまりにも安い点から怪しい製品の匂いがプンプンします。
買ったら後悔する可能性が高いのでおすすめしません。
KOORUI ポータブル電源の評判・口コミ
KOORUI ポータブル電源の評判は非常に悪いく、amazonの評価も1.9しかありません。
主な低評価理由は、「実際の容量が記載と異なる」というもの。
気になって調べてみると、確かにamazonの製品ページには80000mAhと書いてあるのに、製品のパッケージには20000mAhと書いてありました。
つまり4倍も容量盛ってるように見えてしまうわけでそりゃ低評価したくなるのも分かります。
気になる人は以下のamazonの製品ページから口コミを覗いてみてください。
KOORUI ポータブル電源は買ってはいけない
結論、KOORUIのポータブル電源は買ってはいけません。
スペックの表記など怪しい箇所が多すぎです。
またポータブル電源はAnker(アンカー)、EcoFlow(エコフロー)、Jackery(ジャクリ)、Bluetti(ブルーティ)が大手4社であり、これら4社が世界中のポータブル電源の売り上げの9割以上を占めると言われています。
Anker(アンカー) | EcoFlow(エコフロー) |
Jackery(ジャクリ) | Bluetti(ブルーティ) |
大手4社は製品保証、製品の質、製品数のどれをとっても他のメーカーよりずば抜けているため、Anker, Ecoflow, Jackery, Bluetti以外のポータブル電源を選ぶ理由がないのが現状です。
おすすめのポータブル電源
KOORUIよりおすすめなポータブル電源として2つ紹介します。
選考理由はKOORUIと同容量帯、サイクル寿命が3000回以上、大手4社のポータブル電源であること。
Anker Solix C300 Portable Power Station
2024年10月に発売されたANKER Solix C300 Portable Power Station。
縦長の形状で引き出しなど狭いスペースにも収納しやすいデザインが秀逸です。
肩掛けできるストラップがついているから持ち運びしやすいのが嬉しいポイント。
もしACポートが必要ないならSolix C300 DC Portable Power Stationというちょっと安い兄弟ポータブル電源があります。
Jackery 300 Plus
2023年9月に発売されたJACKERY 300 Plus。
定格出力/最大出力が300W/600Wあり小型ながらパワフルなポータブル電源です。
容量は減りますがオンライン限定モデルJackery 240 Newもコスパがいいからおすすめです。
まとめ
この記事ではKOORUI ポータブル電源の評判とスペックを解説しました。
結論、スペックの表記など怪しい箇所が多すぎるからKOORUIのポータブル電源は買ってはダメです。
基本的にはポータブル電源の大手4社であるAnker, Ecoflow, Jackery, Bluettiのポータブル電源を選べばOKです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!