【どこの国?】怪しいと噂のヨシノパワージャパン(YOSHINO)の評判

ヨシノパワージャパンというポータブル電源ブランドが「世界で唯一の固体電池を採用したポータブル電源」を発売して話題になっています。

ただヨシノパワージャパンと検索すると「怪しい」「親会社」「中国」「評判」といったキーワードがヒットするので、多くの人がヨシノパワージャパンという会社の正体を知ろうとしていることが分かります。

ヨシノパワージャパンの評判を表す検索キーワード

そこでこの記事ではヨシノパワージャパンについて徹底的に調査して私なりの結論を出したので共有します。

この記事の要点
  • ヨシノパワージャパンはアメリカのポータブル電源ブランドで生産国は中国。
  • 親会社のYOSHINO Technologyはそこそこ信頼できる会社っぽい。
  • 固体電池は安全性に優れている一方で、今のところ価格が高くてコスパは良くない。
この記事を書いた人

テイクです。電池の専門家です!

  • 国立大学で最先端太陽電池の研究
  • 企業でリチウムイオン電池の開発

に携わっていました。

電池のことを熟知しているからこそ、ポータブル電源の特性をどこよりも詳しく解説することを心がけています。

目次

ヨシノパワージャパンとは

ヨシノパワージャパン公式ホームページ

固体電池搭載のポータブル電源で話題

ヨシノパワージャパンは「世界で唯一の固体電池を採用したポータブル電源」を発売して話題になりました。

固体電池は「可燃性の液体(電解液)を使用していないため安全」というメリットがあります。

電解液を使った従来のリチウムイオン電池から固体電解質を使ったリチウムイオン電池へ移行するようなトレンドは数年前からありますが、ポータブル電源という製品として固体電池を搭載しているのは今のところヨシノパワージャパンだけです。

親会社はアメリカのYOSHINO Tecnology

ヨシノパワージャパンの親会社は、「2021年にアメリカ カリフォルニア州で創業したYOSHINO Technology(ヨシノテクノロジー)という会社」です。

ノーベル化学賞を受賞したリチウムイオン電池の生みの親である吉野彰(よしのあきら)さんの名前を社名にしていますが、吉野さんとの関係を示すような情報はでてきませんでした。

製造元は中国

ヨシノパワージャパンのポータブル電源の「製造元は中国」です。

「なんだ結局は中国製か…」と思った人もいるかもしれませんが、今流通しているポータブル電源のほとんどは中国製だと思った方がいいです。

純粋な日本製のポータブル電源は現状ありません。

とはいえ、リチウムイオン電池の開発を仕事にしていたのでよく分かるのですが、現状リチウムイオン電池の技術力は中国が世界一なので「中国製だからといって過剰に避ける必要はない」です。

次の章では個別の製品を見ていきます!

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ヨシノのポータブル電源とソーラーパネル

ヨシノパワージャパンは2025年2月現在、「5種類のポータブル電源と2種類のソーラーパネル」を販売しています。

ヨシノのポータブル電源 比較表

スクロールできます
製品電池の種類容量定格出力サイクル寿命充電時間使用温度範囲ソーラーパネル容量拡張出力ポートサイズ体積エネルギー密度重さ重量エネルギー密度保証期間無料回収サービス価格容量単価発売年製品ページ製品ページ製品ページ
B3300 SST
NCM
固体電池
2611Wh3300W4000回
(80%)
1.4時間
(80%まで)
-18℃~60℃対応非対応AC×2
DC×2
USB-C×2
USB-A×2
ワイヤレス充電×2
LR-30R×1
54×26×24cm77Wh/L24.3kg107Wh/kg最大5年なし499,900円191円/Wh2023年Amazon楽天市場
B2000 SST
NCM
固体電池
1326Wh2000W4000回
(80%)
0.8時間
(80%まで)
-18℃~60℃対応非対応AC×2
DC×2
USB-C×2
USB-A×2
ワイヤレス充電×1
45×22×23cm59Wh/L14.2kg93Wh/kg最大5年なし249,900円188円/Wh2023年Amazon楽天市場
B600 SST
NCM
固体電池
602Wh600W4000回
(80%)
4時間
(80%まで)
-18℃~60℃対応非対応AC×3
DC×2
USB-C×2
USB-A×2
30×20×26cm39Wh/L7.7kg78Wh/kg最大5年なし99,990円166円/Wh2023年Amazon楽天市場
B300 SST PRO
NCM
固体電池
241Wh300W4000回
(80%)
1時間
(80%まで)
-18℃~60℃対応非対応AC×2
DC×2
USB-C×2
USB-A×2
26×16×24cm24Wh/L4.7kg51Wh/kg最大5年なし59,900円249円/Wh2024年Amazon楽天市場
B300 SST
NCM
固体電池
241Wh300W4000回
(80%)
2時間
(80%まで)
-18℃~60℃対応非対応AC×2
DC×2
USB-C×2
USB-A×2
26×16×24cm25Wh/L4.5kg54Wh/kg最大5年なし54,900円228円/Wh2023年Amazon楽天市場

ヨシノのソーラーパネル 比較表

スクロールできます
製品電池の種類効率定格出力開回路電圧短絡電流接続タイプ寸法(展開時)寸法(折りたたみ時)重さ防塵・防水性保証期間価格製品ページ製品ページ製品ページ
SP200
単結晶シリコン22.6%200W21.8V12.66AMC478×182×1cm78×49×5cm8.5kgIP67最大1年69,900円Amazon楽天市場
SP100
単結晶シリコン22.6%100W21.8V6.33AMC463×122×1cm63×40×2cm4.6kgIP67最大1年34,900円Amazon楽天市場

B3300 SST

B3300 SST

B3300 SSTは容量2611Wh・定格出力3300Wの超大容量ポータブル電源です。

以下の表でアンカーとエコフローのポータブル電源と比較しています。

スクロールできます
製品電池の種類容量定格出力サイクル寿命充電時間使用温度範囲ソーラーパネル容量拡張出力ポートサイズ体積エネルギー密度重さ重量エネルギー密度保証期間無料回収サービス価格容量単価発売年製品ページ製品ページ製品ページ
ヨシノ
B3300 SST
NCM
固体電池
2611Wh3300W4000回
(80%)
1.4時間
(80%まで)
-18℃~60℃対応非対応AC×2
DC×2
USB-C×2
USB-A×2
ワイヤレス充電×2
LR-30R×1
54×26×24cm77Wh/L24.3kg107Wh/kg最大5年なし499,900円191円/Wh2023年Amazon楽天市場
アンカー
767
LFP
液体電池
2048Wh2000W3000回
(80%)
1.4時間
(80%まで)
-20℃~40℃対応対応AC×6
USB-C×3
USB-A×2
シガーソケット×2
53×25×40cm40Wh/L30.5kg67Wh/kg最大5年あり299,900円146円/Wh2022年Amazon楽天市場
エコフロー
DELTA 2 Max
LFP
液体電池
2048Wh2000W3000回
(80%)
1.7時間
(100%まで)
-10℃~45℃対応対応AC×6
DC×2
USB-C×2
USB-A×4
シガーソケット×1
50×31×24cm56Wh/L23kg89Wh/kg最大5年あり254,100円124円/Wh2023年Amazon楽天市場

ポータブル電源とソーラーパネルのセットがお得です。

B2000 SST

B2000 SST

B2000 SSTは容量1326Wh・定格出力2000Wの大容量ポータブル電源です。

以下の表でアンカーとエコフローのポータブル電源と比較しています。

スクロールできます
製品電池の種類容量定格出力サイクル寿命充電時間使用温度範囲ソーラーパネル容量拡張出力ポートサイズ体積エネルギー密度重さ重量エネルギー密度保証期間無料回収サービス価格容量単価発売年製品ページ製品ページ製品ページ
ヨシノ
B2000 SST
NCM
固体電池
1326Wh2000W4000回
(80%)
0.8時間
(80%まで)
-18℃~60℃対応非対応AC×2
DC×2
USB-C×2
USB-A×2
ワイヤレス充電×1
45×22×23cm59Wh/L14.2kg93Wh/kg最大5年なし249,900円188円/Wh2023年Amazon楽天市場
アンカー
Solix C1000
LFP
液体電池
1056Wh1500W3000回
(80%)
1時間
(100%まで)
-20℃~40℃対応対応AC×6
USB-C×2
USB-A×2
シガーソケット×1
38×21×27cm51Wh/L12.9kg82Wh/kg最大5年あり139,900円133円/Wh2023年Amazon楽天市場
エコフロー
DELTA 3
LFP
液体電池
1024Wh1500W
X-Boost:2000W
4000回
(80%)
1時間
(100%まで)
-10℃~45℃対応対応AC×6
DC×2
USB-C×2
USB-A×2
シガーソケット×1
40×20×28cm45Wh/L12.5kg82Wh/kg最大5年あり139,700円136円/Wh2024年Amazon楽天市場

ポータブル電源とソーラーパネルのセットがお得です。

B600 SST

B600 SST

B600 SSTは容量602Wh・定格出力600Wの中容量ポータブル電源です。

以下の表でアンカーとエコフローのポータブル電源と比較しています。

スクロールできます
製品電池の種類容量定格出力サイクル寿命充電時間使用温度範囲ソーラーパネル容量拡張出力ポートサイズ体積エネルギー密度重さ重量エネルギー密度保証期間無料回収サービス価格容量単価発売年製品ページ製品ページ製品ページ
B600 SST
NCM
固体電池
602Wh600W4000回
(80%)
4時間
(80%まで)
-18℃~60℃対応非対応AC×3
DC×2
USB-C×2
USB-A×2
30×20×26cm39Wh/L7.7kg78Wh/kg最大5年なし99,990円166円/Wh2023年Amazon楽天市場
アンカー
Solix C800
LFP
液体電池
768Wh1200W3000回
(80%)
1.2時間
(100%まで)
-20℃~40℃対応非対応AC×5
USB-C×2
USB-A×2
シガーソケット×1
37×21×25cm40Wh/L10.5kg73Wh/kg最大5年あり99,990円130円/Wh2023年Amazon楽天市場
エコフロー
RIVER 2 Pro
LFP
液体電池
768Wh800W
X-Boost:1000W
3000回
(80%)
1.2時間
(100%まで)
-10℃~45℃対応非対応AC×4
DC×2
USB-C×1
USB-A×3
シガーソケット×1
27×23×26cm49Wh/L7.8kg99Wh/kg最大5年あり88,000円115円/Wh2023年Amazon楽天市場

ポータブル電源とソーラーパネルのセットがお得です。

B300 SST Pro・B300 SST

B300 SST PRO

B300 SST PROB300 SSTは容量241Wh・出力300Wの小容量ポータブル電源です。

以下の表でアンカーとエコフローのポータブル電源と比較しています。

スクロールできます
製品電池の種類容量定格出力サイクル寿命充電時間使用温度範囲ソーラーパネル容量拡張出力ポートサイズ体積エネルギー密度重さ重量エネルギー密度保証期間無料回収サービス価格容量単価発売年製品ページ製品ページ製品ページ
B300 SST PRO
NCM
固体電池
241Wh300W4000回
(80%)
1時間
(80%まで)
-18℃~60℃対応非対応AC×2
DC×2
USB-C×2
USB-A×2
26×16×24cm24Wh/L4.7kg51Wh/kg最大5年なし59,900円249円/Wh2024年Amazon楽天市場
B300 SST
NCM
固体電池
241Wh300W4000回
(80%)
2時間
(80%まで)
-18℃~60℃対応非対応AC×2
DC×2
USB-C×2
USB-A×2
26×16×24cm25Wh/L4.5kg54Wh/kg最大5年なし54,900円228円/Wh2023年Amazon楽天市場
アンカー
Solix C300
LFP
液体電池
288Wh300W3000回
(80%)
1.1時間
(100%まで)
-20℃~40℃対応非対応AC×3
USB-C×3
USB-A×1
シガーソケット×1
16×16×24cm45Wh/L4.1kg70Wh/kg最大5年あり34,990円122円/Wh2024年Amazon楽天市場
エコフロー
RIVER 3
LFP
液体電池
230Wh300W
X-Boost:450W
3000回
(80%)
1時間
(100%まで)
-10℃~45℃対応非対応AC×2
USB-C×1
USB-A×2
シガーソケット×1
26×21×11cm39Wh/L3.5kg66Wh/kg最大2年あり30,900円
134円/Wh
2024年Amazon

B300 SST PROB300 SSTの違いは「充電時間・UPS機能・価格」です。

製品B300 SST PRO
B300 SST
充電時間1時間
(80%まで)
2時間
(80%まで)
UPS機能ありなし
定価59,900円54,900円

ポータブル電源とソーラーパネルのセットがお得です。

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ヨシノの固体電池について徹底解説

YouTubeにYOSHINO Technologyの副社長であるVince Catioさんが「ヨシノの固体電池技術」について解説している動画がありました。

日本語バージョンがないのが残念ですが、内容は理解できたのでここで要約します。動画は主に3つのパートに分かれています。

  • 液系電池と固体電池の違い
  • リチウムイオン電池のリスクについて
  • ヨシノの固体電池がポータブル電源に最適である理由

液系電池と固体電池の違い

最初に固体電池の基礎知識から始まります。

電解液が使われているリチウムイオン電池を「液系電池」とすると、電解液が使われていないリチウムイオン電池を「固体電池」と呼びます。

ヨシノの固体電池では電解液の代わりにLATP(リチウムアルミニウムリン酸チタン)という固体電解質が使われているようです。

液系電池に対する固体電池のメリットは主に2点あります。

1つ目が「安全性が高い」ことです。固体電池は可燃性である電解液がないので基本的に燃えにくいとされています。

2つ目が「サイズを小さくできる」ことです。固体電池は液体ではなく固体を使うので電池のサイズを圧縮できます。

リチウムイオン電池のリスクについて

リチウムイオン電池のリスクについても言及しています。

「固体電池は安全性が高いとはいえ、間違った使い方をしたら危険」です。そこは固体電池だろうが液系電池だろうが関係ないので注意してください。

ヨシノの固体電池がポータブル電源に最適である理由

最後にポータブル電源とリチウムイオン電池の歴史をたどりながら、ヨシノの固体電池がポータブル電源に最適である理由を解説しています。

内容をまとめると以下の表の通りです。

種類NCM
液系電池
LFP
液系電池
NCM
固体電池
主要メーカーアンカー・エコフローなどヨシノ
登場時期2010年~2020年~2023年~
正極材料NCMLFPNCM
電解質液体液体固体
メリットエネルギー密度高め安全性高め
寿命長め
エネルギー密度高め
安全性高め
寿命長め
デメリット安全性低め
寿命短め
エネルギー密度低め(価格高め)

最初期の「NCM液系電池」はエネルギー密度が高い(=コンパクトにできる)というメリットがある一方で、安全性や製品寿命に弱点がありました。

それらを改善したのが「LFP液系電池」です。(「リン酸鉄系」と呼ばれている電池です。)製品寿命がNCM液系電池と比べて大幅に改善した一方でエネルギー密度が小さくなってしまいました。

NCMやLFPの液系電池に対して、ヨシノが開発した「NCM固体電池」を使ったポータブル電源は両者のいいとこどりをしていると主張しています。つまり、エネルギー密度が高くコンパクトにでき、安全性や製品寿命にも優れているといるのでポータブル電源に最適だというわけです。

とはいえ、ヨシノの固体電池ポータブル電源は現状「価格が高い」というデメリットがあります。(もちろん動画内では述べられていませんでしたが…(笑))

ここまでが動画の要約で、以下は動画を見た私の見解です。

「全固体電池」ではないのか

ヨシノは一貫して「固体電池」という表現を使っており「全固体電池」とは言っていません

全固体電池と言わない理由は「電池の容積の5-10%程度は液体が入っている」からだとホームページに書いてありました。

「じゃあ固体電池じゃないじゃねえか」と言いたくなる気持ちは分かりますが、一応間違ったことは言っていません。

というのも固体電池の定義が「電解質が固体」だからです。

実はリチウムイオン電池を構成する正極や負極をつくるときにバインダーと呼ばれる液体を少なからず混合します。要するにバインダーが多少入ってるよと言っているのです。

ですが、あくまでもバインダーは正極と負極を作るときに混ぜている材料であって電解質ではありません。

つまり「液体は多少入っているけど電解質はすべて固体だから固体電池」というわけです。

反対に、電解質・正極・負極すべてひっくるめて液体がまったく入っていないリチウムイオン電池が「全固体電池」になります。

動画を見て信頼できる会社だと感じた

ヨシノの動画を見て少なくとも私は信頼できそうな会社だと感じました。

リチウムイオン電池としてのリスクをしっかり説明した上で、自社製品のPRをしていますし、内容自体も間違ったことを言っていません。

我々のポータブル電源は「全固体電池」ではなく「固体電池」ですよとちゃんとホームページに書いているのも印象がいいですね。

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まとめ:現状コスパは良くないが今後に期待

この記事ではヨシノパワージャパンについて徹底的に調査しました。

ヨシノパワージャパンはアメリカのポータブル電源ブランドで生産国は中国です。

「なんだ結局は中国製か…」と思った人もいるかもしれませんが、今流通しているポータブル電源のほとんどは中国製ですし、ヨシノの動画を見たところ率直に言って信頼できそうな会社だと私は感じました。

ヨシノのポータブル電源は価格が高く現状コスパが良くないのがデメリットですが、固体電池の安全性とコンパクトさはとても魅力的…!

セールのタイミングを狙って安く買うか、もう少し価格が落ち着くまで粘るか迷うところ。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ポータブル電源選びで失敗したくない人は当サイトの「後悔しないポータブル電源の選び方とおすすめメーカー」を必ず参考にしてください!

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